黒いスーツのサンタクロース
SANTA CLAUS IN A BLACK SUIT 

1999年12月17日(金)〜 23日(木) 駅前劇場(8st)




story


クリスマスイブの夜。繁華街では大勢の人々
が賑やかに行き交っています。住宅街では暖
かい家の明かりがあちらこちらで灯っていま
す。けれども、まだ無名の女優、森田由紀子
は待つ人の誰もいない暗いアパートにひとり
ぼっちで帰って来ました。そんな彼女の部屋
に不法侵入していた黒いスーツの男。泥棒か
と思ったその男は実は彼女をあの世へ案内す
るためにやって来た死神でした。パニックに
なって死にたくないと訴える由紀子。と、そ
こへ昔の恋人から舞台の主演依頼電話がかか
って来ます。彼女は死神に懇願し、舞台が終
わるまでという約束でその依頼を受けること
にします。しかしそれは、逃げて来たはずの
過去と「もう一度向き合う」というカードを
彼女が引いてしまった瞬間でした。




episode


この頃、劇団活動自体は暗中模索の感が強か
ったのですが、ゲスト参加などを含めなぜだ
か大所帯に。この時期、劇団存続の危機があ
り、このあとくらいから演技の方向性が具体
的になって行きます。ちょうど過渡期だった
んですね。




cast


森田由紀子/古海裕子、枝村みどり
森田友則/中村孝
坂本雄二/横田エイジ
中村真理子/岡野佐多子
隣の女/鶴屋紅子
新聞勧誘員/山口智美、飯島日和
高林聡子/一木美名子
吉村正志/植村拓也
野川幸子/佐藤麻衣子、小池あき
裕子/能登麻美子、小池あき
弘美/岩村水咲、飯島日和
千佳/山口智美、藤田さつき
老婆/垣東和彦、矢板大悟
デニス・グッド/田窪一世










staff


作・演出/田窪一世
装置/木村光春
照明/板谷静男
音響/水越佳一
振付/宇海光燿
舞台監督/上村利幸、田渕正博、高橋良子

撮影/田中健次
絵/小松修




review


▶︎今年も秀逸でした。もう5回目なのに同じ
ところで笑い、同じところで泣けるのはどう
してでしょうか?見終わるたびに、また見た
なります。来年はどうなるのでしょうか?
(平塚智成、29歳、公務員)

▶︎もう一度見たいと思った映画は、レンタル
ビデオ屋で借りてくれば何度も見られますが、
「黒サンタ」は1年待たなければ見られませ
ん。昨年初めて出会ってからこの1年が待ち
遠しかった。そして感動と衝撃は薄れること
無く、より新鮮な気持ちで見られた今年の舞
台。また来年を楽しみにしています。(金子
孝志、28歳、会社員)

▶︎いつもいつも、何故こんなにも面白く、切
なく、深く、しかも軽やかに、人生のもっと
も大きな悲しみを、その向こうにある希望を
優しく描くことが出来るのだろうかと思う。
クリスマスの定番となったこの作品は、まさ
にこの季節にふさわしい劇団の代表作だと思
う。(和村康市、39歳、ナレーター)