遠藤純一は緊張癖のある高校美術教師。若い
ときの恋の痛手からずっと立ち直れずに年を
重ねて来ました。そんな兄を見かねた妹の美
代子は同僚の加奈子を紹介します。しかし彼
女は離婚歴のある３人の子持ち。純一は彼女
との結婚にいまひとつ踏み切れません。手塚
留美は奔放な舞台女優。多くの恋を体験して
来ましたが、最後に残るのは虚しさばかり。
現在も恋人の正人と、彼の元彼女、美佐との
トラブルに頭を抱えています。ある月の輝く
夜。美佐に抗議電話をかけようとした留美は
間違えて純一に電話してしまいます。すると
どうでしょう、まるで魔法にかかったように
純一は驚くほどスラスラと、留美はとても素
直な気持ちで会話が出来るように。ところが
一瞬の手違いから他へ電話をかけてしまう留
美。もうリダイヤルは繋がらない。電話番号
も聞いていない。二人は再び出会えるのでし
ょうか、それとも……。

「愛をあたえることに疲れた天使と愛を奪う
ことに疲れた魔女の物語」という長い題名の
物語を「ムーンライト・セレナーデ」と改め
ました。なので新作ではありません。このこ
ろから相手役に集中するという演技観が僕の
中で具体的になっていきます。

遠藤純一/田窪一世
手塚留美/岡野佐多子
山崎節子/一木美名子
金子良夫/植村拓也
篠原正人/ナガセケイ、佐々木征史
後藤美佐/神野恵子
太田美代子/古海裕子
水島加奈子/鶴屋紅子
井上聖子/枝村みどり
吉田聡美/佐藤麻衣子、小池あき
木村文恵/山口智美、飯島日和
警察官/佐々木征史、ナガセケイ
警察官/矢板大悟

作・演出/田窪一世
装置/木村光春
照明/板谷静男
音響/水越佳一
舞台監督/上村利幸、高橋良子、原田恵子

撮影/田中健次
絵/小松修

▶︎気がついたら引き込まれていました。舞台
を見るのは初めてですが今とても感動してい
ます。演技というよりは本当にそういう人た
ちなのだと思ってしまいました。見れてよか
った〜。まだ、ドキドキしてる。（水上かお
り、19歳、専門学校生）

▶︎今回もまたなんとも言えない素敵なお話で
した。それぞれ悩みを持った正反対の二人が
けっきょく一番の仲間として分かりあってい
く。そのプロセスが実にうまく描かれていた
と思いました。セットの使い方も抜群でした。
ああいう使い方は今まで見たことがありませ
ん。（植村毅、31歳）

▶︎いつも思うんですが、キューピーのお芝居
を見たあとってウディ・アレンの映画を見た
あとと同じ気持ちになるんですよね。日常の
中に埋もれている暖かいホッと出来る気持ち
を呼び起こしてくれるような。今回もそんな
気持ちになりました。（大畑麻衣子、25歳）