主人公の山本一郎さんはごく普通のサラリー
マンでした。仕事はつまんないし、彼女も出
来ないし、ここんとこお腹は出て来たし、最
近髪も薄くなって来たし、人生なんとなく見
えて来ちゃったような気がしてます。ある秋
の夜。アパートに帰って来た一郎さんの目の
前に変な連中が現れます。そいつらは自分の
ことをフック船長だのティンカーベルだのと
名乗ります。そして驚く一郎さんに向かって
「あなたは昔ピーターパンだった」と告げる
のです。

もしも、ピーターパンがおじさんになっちゃ
ったら？これも何気ない思いつきから生まれ
た物語です。映画「フック」よりも早い上演
なので決して盗作ではありません。でもタイ
ツ姿の衣装は自分でもけっこう笑えます。

山本一郎/田窪一世
フック船長/松井功
ティンカーベル/鶴屋紅子
チクタクワニ/山田義暒
加藤課長/大塚洋
柳沢/佐藤荘二郎
母親/村上弥生
女学生/小野好重、船津えりか
女教師/石橋陽美、吉田早織、岩崎友美
小学生/簾花子、秋里瑠利、ひなたてか子

作・演出/田窪一世
演出助手/橋本祐子
装置/木村光春
照明/三田弘明、熊岡右恭
音響/水越佳一
舞台監督/海辺潔

撮影/田中健次
絵/小松修

▶︎子供に引っ張られて初めて来ました。公演
を首を長くして待っている様子に、これはぜ
ひ親として見ておきたいと……。想像してい
たものとはかなり違って、その内容の深さに
びっくりしました。わたしも今後ファンにな
りそうです。（本多妙子、40歳、団体職員）

▶︎芝居というよりは非常に映像的な感じがし
ます。役者さんたちの演技も演じているとい
う印象ではなく、周囲の人たちに起こってい
る現実をそのまま見ているという感じです。
（池田紀子、20歳、学生）

▶︎感動でした。今までの作品にはない良さを
いくつも見つけられました。可愛くて仕舞い
込んでおきたいけど、どんどん溢れて来ちゃ
いそうな、そんな雰囲気の作品でした。（中
川由貴子、20歳、広告代理店勤務）