story
大都会の喧騒の中で生きていく。毎日が辛い
ことやしんどいことの連続です。たぶん、だ
から都会にはコメディアンが大勢必要で、彼
らはテレビの中から、舞台の上から、私たち
を一時イヤなことから解放してくれるのです。
ところが大勢のコメディアンの中に、これま
で人を笑わせてばかりで、しばらく自分が笑
っていないことに気づいた男がいました。シ
ョックを受けた彼は、仕事とも、奥さんとも、
娘とも、愛人たちとも上手くやって行けなく
なり、体を壊して入院してしまいます。それ
はある昼下がりのことでした。病室から出よ
うと何気なくドアを開けると、そこには彼が
子供の頃に暮らした40年前の町の風景が広が
っていました。思い残して来たある出来事を
確かめるため、男は思い切って不思議の世界
へ足を踏み入れるのですが……。
episode
早々と3回目の再演です。今回はとにかく昭
和30年代の装置が圧巻。照明、効果のセンス
も抜群でした。こういう環境の中で舞台に立
てる、役者冥利に尽きるというものです。そ
して稽古場がどんどん楽しくなって来ている
時期でもあります。暗中模索からやっと抜け
出せたと感じてます。
cast
野村晋平/田窪一世
野村章子/鶴屋紅子
野村愛/神野恵子
松田千明/古海裕子
白川和美/山口智美
矢野由香/保田麻美子
小沢雅也/松崎巌夫
小池恒男/佐藤成利
飯島美穂/森田麻衣
野村美智子/古海裕子
野村初子/鶴屋紅子
野村雅彦/松崎巌夫
坂田多恵子/岡野佐多子
松原千登勢/神野恵子
下田加奈子/保田麻美子
伊藤幸代/山口智美
増田正男/佐藤成利
staff
作・演出/田窪一世
装置/向井登子
照明/高円敦美
音響/大久保友紀
舞台監督/坂野早織
撮影/ワタベマユミ
絵/小松修
review
▶︎気がついたら泣いてました。素晴らしかっ
たです。(大賀久子、30歳)
▶︎舞台を見て初めて泣きました。私たちは舞
台を見ていたのではなく、その世界に引き込
まれていたのだと思います。舞台がとても近
くに感じました。舞台装置も照明も音楽もと
ても素敵でした。私は生まれていたい時代の
お話でしたが、とても懐かしい気がしました。
(藤原郁美、21歳、大学生)
▶︎泣けました。胸に込み上げるものがありま
した。自分の母を思いました。それから事情
があって子供と引き離されてしまった友人を
思い出しました。今はうまく感想が言えませ
んが非常に温かく清々しい気持ちです。(佐
藤菜穂、30歳、主婦)