最後のブラッディマリー
THE LAST GLASS OF BLOODY MARY 

2011年11月23日(水)〜 27日(日) 駅前劇場(8st)




story


大都会の闇にそびえる高層ビルの群れ。赤み
かった月が気味の悪い今夜は満月の夜。そ
裏町の路地をちょっと奥へ入って行ったと
ろのゴミ収集所に3人の淋しい吸血鬼が集
っていた。彼らは永久に歳を取れない自分
たちの存在が人間に知られないように細心の
注意を払って都会の片隅でひっそりと生きて
来ましたが、20年ごとの移動という戒律に従
って、慣れ親しんだこの街から出て行かなけ
ればならない時が迫って来たのだ。しかし、
BAR「黒猫」のマスター織田耕作には内縁の
妻美枝子がいます。私立探偵の羽柴薫は捨て
子だった赤ん坊を娘のように育て来ました
が、朋子という名の娘は今年二十歳になりま
した。そして夜勤ガードマン岡崎慎太郎にも
長年連れ添って来た最愛の妻、福美の存在が
ありました。彼女たちにいったいなんと説明
すれば良いのか彼らは悩みます。突然いなく
なるか、嘘をついて出て行くか、それとも本
当のことを打ち明けるのか……。




episode


僕の作品としては珍しく中年男性3人を主人
公にした男のドラマです。子供の頃に見た日
活アクション映画の石原裕次郎や小林旭。東
映任侠映画の高倉健や鶴田浩二。現実はあん
なスーパーマンのようなカッコイイ男たちの
ようにはとても生きられませんが、少しでも
近づきたいという想いは誰にだってあるはず。
そんな男の美学、哲学を吸血鬼という究極の
存在を通して描いてみました。




cast


羽柴薫/田窪一世
織田耕作/西山由希宏
岡崎慎太郎/大野充
岡崎福美/白神早季子、中村恭子
霧島美枝子/岩村水咲、鶴屋紅子
羽柴とも子/河合雪絵、安養寺美樹
漆川恭子/西村陽里、毛受廣美
大島茜/金谷愛子、箕輪菜穂江
マヤ/大西あす香
ミキ/山菅利恵
ルナ/車谷芽維
若い男/岩崎なおき、坂本勇志
若い女/車谷芽維
ダブルスーツの男/眞下尚行、石川裕太
赤シャツの男/坂本勇志、岩崎なおき











staff


作・演出/田窪一世
装置/向井登子
照明/高円敦美
音響/木下真紀
振付/GYU &夏美れい
大道具/(株)STONEZZ
小道具/高津装飾美術
舞台監督/藤本志穂

撮影/槇貴雄
絵/小松修




review


▶︎いつの時代も、親子、男女の関係は変わら
ないけれど、それぞれ個々に事情があるもの
ですね。そして自分と重なる部分を見つける
と共感したり、泣けたり笑えたりするのかな
と思います。別世界へのお誘いありがとうご
ざいました。(堂岸綾子)

▶︎難しくシリアスな設定のお話ですが、随所
にコミカルな場面を挟みながら進行していく
ので面白かったです。毎回、ストーリーの展
開にわくわくしながら見ています。また次の
作品を楽しみにしています。(斎藤貴子、58
歳、薬剤師)